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バルトーク晩年の悲劇【新装版】

バルトーク晩年の悲劇【新装版】

アガサ・ファセット/野水瑞穂

みすず書房

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作品紹介、あらすじ

ナチの脅威が迫るなか、1940年10月、作曲家ベラ・バルトークは妻ディッタとともに、祖国ハンガリーを去り、アメリカに亡命する。著者、アガサ・ファセットがブダペストの音楽学院の学生だった頃、ピアノの教授であったバルトークは、学生の間で偶像視されていた。著者は、1920年にアメリカに渡ったが、20年後に、バルトーク夫妻の生活を助けることとなる。本書では、その亡命からバルトークの死にいたる5年間、経済的困窮、病気の中での、作曲・演奏活動、民謡蒐集の研究、日常生活など、天才の素顔が鮮明に描かれる。

感想やレビュー

バルトーク渡米後の妻ディッタと共の晩年5年間を、弟子が描く。天才、及びその家族の素顔を書いた、極めて貴重な書物。音に鋭敏で、森の中の猫を発見するエピソード、最晩年にオケコン等の大曲を気力の限りを尽くして創作する様子、ディッタがベラを支えながらも苛まれる姿など、リアルに伝わってくる。筆致も素晴らしいし、翻訳も優れている。

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