あいさんの感想、レビュー
小説家の主人公が差別的な思想を持つとレッテルを貼られ、断崖に建つ海辺の療養所に軟禁されるお話。 主人公がとてもパワフルで主義主張も曲げないため、結局は落ちるところまで落ちるわけですが、それが主張を曲げなかったためなのか、そもそもそういう運命なのか。主人公の辿り着いた答えもただの妄想なのなもしれず、全てが曖昧です。状況は違いますが、なんだか現在起こっていることともリンクするところもありそうです。そもそも単なる一般人である私達には世の中の真実など一生分からないままでしょうし、誰かによって決めたことをメディアなどによってマインドコントロールされていることもあるのでしょう。同調圧力でお互いを縛りあい、監視しあい、はみ出したものを徹底的に叩く。多かれ少なかれそういうことはあると思います。怖いですよね…。知らないうちに精神病にさせれることも自殺に追い込まれることももしかしたらあるのかもしれませんよね…。 これは、なかなか踏み込んだ問題作だと思いました。