『兄の終い』のエッセイストが書く、認知症をめぐる家族のドラマ。

全員悪人

小江戸川越の街にひっそりと佇む「Ｍｅｍｏｒｙ」は“記憶を消してくれる”カフェ。不思議な力を持つ家入蘭のもとに、過去の失恋やトラウマに苦しむ人々が、今日も引き寄せられるようにやってくる。最愛の人に先立たれ生きる気力をなくした坂下麻季は、自分のことは忘れてほしいという亡き恋人の遺志により、Ｍｅｍｏｒｙを訪れた。記憶が完全に消去されるまでの間、川越の街をぶらつく麻季。そこに死んだはずの恋人が現れて…。麻季の最後のデートを描いた「あなたに似た人」や、表題作「いいえ私は幻の女」のほか、驚きと感動せまる追憶の物語集。

いいえ私は幻の女

大切な人が信じていることを、わたしは理解できるだろうか。一緒に信じることができるだろうか…。病弱なちひろを救うため両親はあらゆる治療を試みる。やがて両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき…。第３９回野間文芸新人賞受賞作。

星の子

人付き合いが苦手そうな大学４年生・香住。デザートブッフェへの同行を依頼してきた理由は…？（第一話「バニラクッキーは砕けない」）。ヘアメイクアーティストＭＩＳＡ、３８歳。女優志望の若手という設定で、観劇につきあってほしいというが…？（第二話「赤い花に幻の水」）。常連の翻訳家・野枝、４６歳独身。検査入院するため、飼い猫の面倒を見て欲しいと言われたことから本人の過去にかかわることになり…？（第三話「臆病な猫を抱く」）。いかにもお嬢様然とした女性、２６歳の綾音。婚約者の元カノも参加するというパーティに友人として同行してほしいというが…？（第四話「仁義なき女子の歌」）。

レンタルフレンド

統理と小学生の百音はふたり暮らしだが、血はつながっていない。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。その生活を“変わってる”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。三人が住むマンションの屋上には小さな神社があり、地元の人からは『屋上神社』などと呼ばれている。断ち物の神さまが祀られていて、悪いご縁を断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるがーそこを訪れる“生きづらさ”を抱えた人たちと、「わたし」の物語。

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レンタルフレンド

わたしの美しい庭