サラバ!(中)
西 加奈子
小学館
作品紹介、あらすじ
両親の離婚、そして帰国。母の実家のそばに住む母子三人は、次第にバラバラになっていった。母は頻繁に恋人をつくり、サッカーに興じる歩は高校で同級生の須玖に影響を受けていく。姉は、近所に住む矢田のおばちゃんが宗教団体の教祖のように祀り上げられていくなか、そこに出入りするようになった。そして、阪神神戸大震災が起こった。それは歩の生活にも暗い影を落とし、逃げるように東京へ向かう。脳が蕩けるような学生生活を経て、歩はライターになった。だが、その先で、ある取材を依頼される。そこには変わり果てた姉が絡んでいた。
感想やレビュー
いわば、歩くんの青春編。大学生になって、家族がバラバラになってフリーのライターになるまで最後は山寺に籠るお父さんに今までの抑圧した気持ちを爆発させる。今まで何も言わないで存在を消して来た彼が初めて自分の気持ちを外に出してゆく。