Bookstand
Bookstand
四月になれば彼女は

四月になれば彼女は

川村 元気

文藝春秋

Amazonで詳細を見る

作品紹介、あらすじ

4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人とー。天空の鏡・ウユニ塩湖で書かれたそれには、恋の瑞々しいはじまりとともに、二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、なぜ今になって手紙を書いてきたのか。時を同じくして、1年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、劇的な変化がおとずれる。愛している、愛されている。そのことを確認したいと切実に願う。けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのかー。失った恋に翻弄される、12カ月がはじまる。

感想やレビュー

愛するとは何か、愛されるとは何か。愛について語った少し不思議な小説。 途中までは難解で、少し理解しづらい部分もあった。けれども、主人公らの「本当の愛を見失う」部分や、人間、さらには自分自身すらも信じられない気持ちは、共感できる部分もあった。 この本に出てくる人物たちの「愛」に関する思考は、なるほど、と納得できる部分が多かった。中でも印象に残った考え方は、 「誰のことも愛せないと言うことは、自分自身のことも愛せていないということだ」 と言う考え方。 自分自身を愛せないままに人に一方的に愛してもらうというのは傲慢だし、自分を「愛する」と言うことを知らないのなら、人を愛することなど絶対に無理だと共感した。 だからこそ、自分自身を認め、愛してくれる人がいないので「孤独」になってしまうのだろう。 「孤独」にならないために、誰かを愛し、誰かに愛されて幸せになるためにも、まずは自分自身を認め、好きになってやることが大切だと思う。

ネタバレを読む
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう