発達が気になる子どもが小児科の専門外来を受診するとき
柏木充
金子書房
作品紹介、あらすじ
発達の専門外来で実際に何が行われているのか。外から見えにくい診療の流れを保護者や学校の先生に向けて小児科医が丁寧に解説する。 目次より 第1章 受診にあたって 受診前の準備 初診の流れ 再診 その後 【コラム1】気づく 【コラム2】「発達がゆっくり(遅れている)」とは 【コラム3】そもそも「神経発達症(発達障害)」とは 【もう少し詳しく知りたい人のための小児科講座1】 神経発達症(発達障害)の捉え方の難しさ 第2章 初診 MSPA 問診票や質問紙,自由記載メモ 【もう少し詳しく知りたい人のための小児科講座2】 発達が気になるお子さんを見るための主な質問紙や面接調査 第3章 小児科医による問診と診察 診察の始まり お子さんへの問診 診察 保護者への問診 第4章 知能検査と医学的検査 発達の検査とは 発達指数や知能指数の検査 その他の認知機能検査 協調運動の検査 医学的検査 第5章 主な神経発達症 限局性学習症(SLD) 発達性協調運動症(DCD) 注意欠如多動症(ADHD) チック症群 自閉スペクトラム症(ASD) 知的発達症(IDD) 【コラム4】読み書き障害は努力すれば克服できますか? 【コラム5】墨汁とケチャップ 【コラム6】知能は変化しますか? 第6章 神経発達症とよく併存してみられる疾患・問題 ゲーム障害 睡眠障害 起立性調節障害(OD) 不登校 【コラム7】5年半続いた不登校 第7章 検査結果や診断を伝える WISC-VとDN-CASの解釈 【コラム8】グレーゾーンとは 【コラム9】神経発達症は遺伝しますか? 第8章 薬剤療法 ADHDの薬剤療法導入の考え方 薬剤療法に関する疑問・不安 薬剤の選択について 薬剤療法をしていることを学校にも伝えるか? 効果の判断について 薬物療法の経過 ADHDの「治療」のメリット・デメリット ASD治療の標的症状 第9章 その後の経過 【コラム10】医療費助成制度と手当と発達障害 第10章 神経発達症の診療における連携 「親子関係」という連携 保護者と教育(教師)との連携 保護者と医療の連携 医療と教育の連携 第11章 さらにその後
感想やレビュー
学校から専門医を受診し、診断をもらってくださいプレッシャーを感じて、一体専門医を受診するとはどういうことなのかと考えるために手に取った一冊。 小3の女の子(架空)さんの受診経緯と経過を通して、段取り、医者はどんな点を見ているか、当日の流れ、その後の流れ、医者によるサポートとは?等など詳しく書かれている。 そうか、専門医を受診して、診断をもらうとはそういうことか。とも思ったし、何をいつどれくらい誰とやるのか、イメージがわかないと不安定になってしまう子どもとの受診を想定すると、当日何をし、どれくらい拘束されるかわかるのは非常にありがたいと思った。 見通しが立つってとても大切なんだなと子が特性持ちだと意識してから始めて実感する日々。