ラベルのない缶詰をめぐる冒険
アレックス・シアラー/金原瑞人
竹書房
作品紹介、あらすじ
くるくる天然パーマに牛乳瓶めがねをかけて、「天才少年」にしか見えない少年、ファーガルのひそかな趣味は、スーパーで安売りされる、「ラベルのない(取れてしまった)」缶詰を集めること。ある日、振るとカラコロ音がする、不審な缶詰を開けると、そこに入っていたのは金のピアス。こうして、ファーガルの、ラベルのない缶詰をめぐる冒険がはじまったー。
感想やレビュー
少年がひょんなことからラベルの剥がれた缶詰を集めるようになる。出だしは少年のそんな風変わりな趣味の紹介からはじまった。どんなファンタジーなんだろうと思いつつ読み進めると、突然、物語はホラーへ。気味の悪い方向転換に一気に心を奪われた。YA小説だけど、人間のブラックな部分を描くあたりが、本当は恐ろしいグリム童話に似ている感じがした。読み終えて缶詰を開けるのが怖くなった。