鳥人計画
東野 圭吾/角川書店装丁室
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
「鳥人」として名を馳せ、日本ジャンプ界を担うエース・楡井が毒殺された。捜査が難航する中、警察に届いた一通の手紙。それは楡井のコーチ・峰岸が犯人であることを告げる「密告状」だった。警察に逮捕された峰岸は、留置場の中で推理する。「計画は完璧だった。警察は完全に欺いたつもりだったのに。俺を密告したのは誰なんだ?」警察の捜査と峰岸の推理が進むうちに、恐るべき「計画」の存在が浮かび上がる…。精緻極まる伏線、二転三転する物語。犯人が「密告者=探偵」を推理する、東野ミステリの傑作。
感想やレビュー
東野圭吾のスキージャンプを題材にした作品があり、それもかなり詳しいことがわかりビックリ。ストーリーも面白い。犯人名はすぐに記載されるが、動機や殺害方法が徐々にわかって来て、最後に意外な人物が出て来るのも相変わらず面白い。
スキージャンプの話 ・楡井明 スキージャンパー 遠縁の藤村に引き取られ 本格的にジャンプを始める (最初に殺される人) ・杉江泰介 スキー監督 ・杉江翔 スキージャンパー 泰介の息子 ・杉江夕子 泰介の娘 翔の姉 ・沢木亮太 楡井の後輩ジャンパー ・峰岸 楡井のスキーコーチ →犯人 峰岸宛に誰かから 「犯人は自首しろ」 という手紙がくる 犯人はわかっているけれど 動機や殺害方法は わからないまま話が進んでいく 最後半... 犯人の殺害動機が.. わからなくもないけれど... 登場人物に あまりまともな人がいないというか.. 感情の一部が欠落しているというか.. 歪んでいるというか.. 救われる終わり方ではなかった 楡井 →世話になった人を深く考えず裏切る 夕子 →ハニトラを結果的に引き受け 突発的に殺してしまう 泰介 →自分のエゴの為には 家族の犠牲も厭わない 峰岸 →自分の大切なもの 費やした時間が コモディティ化してしまう事に 耐えられなかったのか..唯一 少しわかる..普通は殺さないけれど.. 小説の話だけれども... トップアスリートや スポーツで勝ち続けている人って 多かれ少なかれ.. 楡井や杉江監督みたいに 空気読めなかったり 人の気持ちに鈍感なのかな.. じゃないと人押しのけて 自分だけ勝てないよな.. とか思った...自分の思いに貪欲だ