やめるときも、すこやかなるときも
窪 美澄
集英社
作品紹介、あらすじ
家具職人の壱晴は毎年十二月の数日間、声が出なくなる。過去のトラウマによるものだが、原因は隠して生きてきた。制作会社勤務の桜子は困窮する実家を経済的に支えていて、恋と縁遠い。欠けた心を抱えたふたりの出会いの行方とは。
感想やレビュー
家具の話は身近。
他人と生きること、他人の人生を受け入れることの難しさと素晴らしさを感じた。一人じゃ受け止めきれない、消化しきれない過去の辛いことも、大切な人と一緒であれば前を向いて少しずつ思い出にしていくことができる。良い話だな、うらやましいなと素直に思えた。自分のことを受け入れてくれる誰かと歩んでいく日常は大切な日々だ。