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子どもたちは夜と遊ぶ(下)

子どもたちは夜と遊ぶ(下)

辻村 深月

講談社

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作品紹介、あらすじ

交わることのない、人の想い。切ない終わりがやってくる。「浅葱、もう少しで会える」『i』は冷酷に2人のゲームを進めていく。浅葱は狐塚や月子を傷つけることに苦しみながら、兄との再会のためにまた、人を殺さなければならないーー。一方通行の片思いが目覚めさせた殺人鬼『i』の正体が明らかになる。大人になりきれない彼らを待つ、あまりに残酷な結末とは。(講談社文庫) 「浅葱(あさぎ)、もう少しで会える」『i』は冷酷に二人のゲームを進めていく。浅葱は狐塚(こづか)や月子(つきこ)を傷つけることに苦しみながら、兄との再会のためにまた、人を殺さなければならないーー。一方通行の片思いが目覚めさせた殺人鬼『i』の正体が明らかになる。大人になりきれない彼らを待つ、あまりに残酷な結末とは。

感想やレビュー

下巻。 月子の友人真紀や恭司の恋愛や生い立ちなど、それほど主題に絡んでこないエピソードが多いです。 殺人に疲れた浅葱はこれ以上の殺人をやめようとする。iはそれを許さず、今度は友人孝太を殺すように指示を出す。孝太を守ろうとする浅葱は、月子の友人である片岡紫乃を殺す。iは即座に川﨑幸利を殺し、次にまた狐塚孝太を殺すように指示を出してくる。 このタイミングで月子は浅葱が罪を犯していることに気づく。浅葱を問い詰める月子。浅葱は月子を殴打し、大きな怪我を負わせる。 浅葱は、iと落ち合う予定のトンネルに向かい、そこでiに右目を潰されるという重傷を負わされる。 発見され病院に運ばれる浅葱。落ち着いてから浅葱を訪ねる孝太。 孝太と浅葱の話し合いから、iは浅葱の別の人格であることが判明する。本当の兄の藍はとうに浅葱に殺されてなくなっていた。ストレスから解離性人格障害に陥っていた浅葱。 (また、最初にiとして浅葱に接触してきたのは、かつて論文のコンテストで大賞をとった上原愛子であった。兄を騙って浅葱に近づいていた愛子も、ショックから浅葱に殺される。ちょっといらないエピソードであったかも。) 最後にもう一つどんでん返し。論文を書き、月子や孝太と交わるなど日常生活を送っていた浅葱(θ)は、分裂して生まれた人格の方であった。元からの浅葱の人格(i)は長く眠りについていた。元の浅葱に目をさされたθのパーソナリティはもう姿を現さない。 最後の説明を終えた浅葱は、しばらくして移送中に脱走する。月子の入院している病院に面会して現れ、月子に最後の挨拶をして姿をくらます。 主人公が誰なのか、入り組んだ人間関係などもあり、少し話が入り組んでいて、話の全体像がわかりづらいです。そして、なぜ人格分裂後の浅葱が人を殺していたかの動機も不明確なままです。世間を憎んでいたとは言え…。 そう言った意味で少し残念な作品となっています。

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