その農地、私が買います
高橋久美子
ミシマ社
作品紹介、あらすじ
「おまえは東京におるんじゃけん関係なかろわい」by父。農地は負の遺産と考える父親世代、中・小規模農家の経済的な厳しさ、農地を持っている人しか農地を買えない法律、急増する猿や猪の畑荒らし、子孫を残せない「F1種」の種、体調を悪くする農薬散布、足並みを揃えることを最優先する町の雰囲気…etc.未来に後悔をしないため、まずは知ること、動くこと。「変わり者」と言われても、高橋さん家の次女はゆく!
感想やレビュー
田舎が地元で、都会の生活の良さわかっている同世代が書いた本だからこそ、農業や田舎で暮らすことの大変さをリアルに痛感した。理不尽と思えること、自分の常識が通じないことへの絶望感とか、ふるさとへの想いやそれをわかってもらえないことの切なさとか。色々と考えさせられた。
久美子さんの行動力、素直さ、故郷の農業への愛が伝わってくる。いのちとはなにかを色々な側面から改めて感じさせてくれる。 最後に道路を作る為の立ち退きの件で、近所の人との口論でギクシャクしてしまった事は心が痛い。 しかしこれが現実で起きていることなのだと痛感した。