タフィー
サラ・クロッサン/三辺 律子
岩波書店
作品紹介、あらすじ
父さんの暴力から逃れ、家を出たアリソン。古い家の納屋に身を隠すが、家主のマーラという老女に見つかってしまう。認知症のマーラは、彼女を昔の友人・タフィーと間違えているようでー。孤独をかかえたふたりが出会い、思いがけない同居生活がはじまる。カーネギー賞作家が詩でつむぐ、再生の物語。
感想やレビュー
詩的な文章で書かれているので、いつもの淡々とした長い文章で書かれた本を読むのとは違う良さと複雑さがありました。長い文章を読むというのが苦手な人にはその部分はオススメですが、詩的な文章なので過去や今が混雑していますし、外国の方の名前なので覚えづらくはあります。ですが、人間慣れていくので耐えれば入っていきやすかったです。 認知症というもの、家庭内暴力というものを個々で語られがちですが、時が経つにつれてマーラが少しずつ一人一人の心情に気づけたり、楽しい事や過酷な事も自省していたりと個人的に節々に感情移入してしまいました。