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北朝の天皇

北朝の天皇

石原 比伊呂

中央公論新社

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作品紹介、あらすじ

建武三年(一三三六)、京都を制圧した足利尊氏は新天皇を擁して幕府を開いた。後醍醐天皇は吉野に逃れ、二帝が並び立つ時代が始まる。北朝の天皇や院は幕府の傀儡だったと思われがちだが、歴代将軍は概して手厚く遇した。三代義満による南北朝の合一以降、皇統は北朝系が占めた。一見無力な北朝は、いかに将軍の庇護を受け、生き残りに成功したか。両者の交わりをエピソード豊かに描き、室町時代の政治力学を解き明かす。

感想やレビュー

歴史初心者にこそ読んでほしい良書。 歴史的流れをきっちり押さえつつも、室町幕府に関わる人物を生き生きと描いていて面白い。 後小松天皇と足利義教の関係を、フランクでちょっと無神経な中3のクラブの先輩と、無下にできずに困っている中1の後輩と例えるあたりに、作者のセンスが伺える。 戦国時代を除くと、人物評に斬り込んだ歴史解説書は意外に多くないので、そういう意味でも貴重。

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