八犬伝 上
山田 風太郎
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
文化十年、江戸飯田町の小さな家屋で、作家・滝沢馬琴は画家・葛飾北斎に語り出した。宿縁に導かれた八人の犬士が悪や妖異と戦いを繰り広げる『南総里見八犬傳』である。落城寸前の安房・滝田城で、時の城主・里見義実が一縷の望みを愛犬・八房に託したことをきっかけに、里見家の運命が動き出すー。闊達自在な伝奇「虚の世界」と、執筆への執念を燃やす馬琴を綴る「実の世界」を、緻密な構成で見事に交錯させて描いた傑作。
感想やレビュー
山田風太郎「八犬伝 上」読了 実は山田風太郎さん初めて。これまで甲賀忍法帖とかの忍者のシリーズはアニメとか漫画とか映画とかで観てたけど、山田風太郎さん自体を読んでなかった。のだが、八犬伝を書いてるとは知らなかった。小学校の頃に南総里見八犬伝を映画館で見て、おもしれーこれと思って学校の図書館で滝沢馬琴の南総里見八犬伝を読み耽った身としては、この作品を読まないわけがない。しかも映画化されるという。楽しみだ。 と言うことで前置きが長くなったが、上巻を読んだ感想。 素晴らしく面白い!! なぜ今まで読まなかったんだろう。 できれば神田伯山に講談やってほしいぐらい。 安房国の里見義実の城がまさに落ちんとするとき、八房へ敵の首を取ってこいと命じる義実と止める伏姫!!の序章から始まり、仁義礼智忠信孝悌八つの玉が飛び散る。その筆致がすばらしい。一気に小学校の頃の気持ちに戻ってわくわくする。そして泣く。仁義に泣く。八犬士はもちろんのこと、八犬士に関わる人々の想い、犠牲、嗚呼...浜路...房八...おぬい...力二...尺八...涙なしには読めねえ いかん、物語に引っ張られて江戸っ子口調になっちまう。 上巻は八犬士の7人目毛野が登場したとこで終わる。くはぁ!良いシーンだ! はやく!はやく下巻を持って来いってんだ!