別れの季節 お勝手のあん
柴田 よしき
角川春樹事務所
作品紹介、あらすじ
政一が献立帖作りに取り掛かり始めた。おやすの絵も使われて、紅屋の記録になるという。 料理の道に邁進する日々。そうして正月も過ぎた折、お小夜から文が届く。 里帰りをするのだが、その時におやすと人知れずに会いたいという。 息子が病弱で苦労していると聞いていたおやすは不安を覚え……。 開国をしたことで外つ国の話題が多くなり、料理人として新しい料理がもたらされることに胸躍りながらも、戊午の大獄は世相に暗い影を落とし、次第におやすの運命にも関わるようになってくる。 待望のシリーズ第九弾!
感想やレビュー
地味ながらも確実に物語は動いている、シリーズ第9弾。 ついにおやすも二十歳になったかと感慨深い。 悲しい別れとともに、大きな出会いがあり、今後の展開が楽しみ。 明治維新まであと二十年近く、徳川の世が終わるそのとき、おやすはどうしているんだろう。 ところでおやすの親友のお小夜、ダイアナ=月の女神が名前の由来だということに気づいた。今更だが、気づけて嬉しい。