「カルト」はすぐ隣に
江川 紹子
岩波書店
作品紹介、あらすじ
家族や友人とのつながりを捨てて、「オウム」に入信し、陰惨な事件にかかわっていった若者たち。一連の事件がなぜ起きたのか。凶悪な犯罪を起こした彼らは、特別な人間だったのか。長年、事件を取材してきた著者が、カルト集団の特徴や構造を浮き彫りにし、集団や教義を優先するカルトに人生を奪われない生き方を説く。
感想やレビュー
2018年に麻原彰晃他、教団幹部の6人が死刑を執行された 日本で死刑を執行できる拘置所は7箇所がある、7人同じ日に死刑をするのは東京裁判以来であった、そのような決定をだすほどの重大事件であったオウム事件を振り返る本である。ちなみに死刑は13人。 オウム真理教にハマった人の多くは自分の将来に漠然とした不安や厭世主義的な人が多くそういった不安をなくすために精神世界にのめり込んだ人につけこむ形で規模が拡大していたと言える。他にエリートが多くいたがその人たちには現実の世界はなぜこんなに多くの人が苦しんでいるのかと思い人のためになりたいと思う志が高く優しい性格の人も多くいた。その気持ちを巧みに世界を救うためなどの理由をつけることにより、利用をしたのである。オウムが流行る前には石油危機の不安やバブルでの格差拡大などの社会状況、他に1974年にベストセラーになった日本沈没やノストラダムスの大予言などオカルトブームによる終末論による不安感があったといえる。 オウムのマインドコントロールを受けた人がなぜあのような犯罪ができたのか一番の理由は「自分で考えることを止めたから」であると語られていた、オウムは観念崩しという集団社会で身につけた常識をすべてオウムの価値観(麻原の言うことは絶対)にすることにより信者をコントロールしておりそうすることにより信者は麻原のロボットになっていた。他にもオウムはプロパガンダ戦略が巧みであり、ダライ・ラマと面会するなど(ダライ・ラマは誰とで合ってくれる)その権威を利用した、他にもメディアにも多く出演することにより知名度を上げていったのである。他にカルトは入ってく情報を遮断しているのである ので外界から隔離しているのである。 こうしたカルトに騙されないためにも気をつけることは、1つ目に断定できないようなことを断定すること、 2つ目にお金のは話が出たら注意すること、3つ目は話が最初と違う場合は気をつけること、4つ目はこれは誰にも言っちゃいけないという言葉を使う者である。カルトは人の不安につけ込むが不安がないものでも不安にさせるような言動をしたりすることがある 故に言われたことを深く考える人は要注意である。その対処方法で私が思うことは不安を打ち明けられる信頼できる人を持つことであると私は思う。 他にダライ・ラマが言っていたいい宗教である定義はstudyであるかlearnであるかStudyは研究など意味合い疑問などを持ち勉強することである、しかしlearnは勉強でも教えられたことをただ実践していくだけであり疑問の余地がないこうしたこと学びを続けることに自分の考えが侵食されていくとこの回答は感心させられたし胸に刻みたいと思った。
擁護はしたくなくても、してしまう様な人生を送った信者や、誰もが羨む地位と学力があるのにすがってしまった信者ばかりで、共通して言えるのが「皆、真面目で責任感のある、意味を見出そう」とする人たちで、どうしても切っても切れない様な距離感を感じました。誰もがカルト宗教の被害者にも加害者にもなれると思い知りました。これを読んで、直接的にカルト宗教を知るのは危ないので、正しく怖がって距離を置いていきたいと思いました。ふとした疑問や勘も大切にしていきたいです。