未明の砦
太田 愛
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
大手自動車メーカー「ユシマ」の工場で働く四人の非正規工員は、夏休みのある出来事を契機に大きくその人生の軌道を変える。そして冬、彼らは共謀罪の初の標的となる。逃亡のさなか、四人が決意した最後の実力行使の手段とはー。共謀罪始動の真相を追う刑事、この国を超法規的な手段で一変させようと試みるキャリア官僚。怒りと欲望、信頼と打算、野心と矜持。それぞれの思いが交錯する。最注目作家・太田愛が描く、瑞々しくも切実な希望と成長の社会派青春群像劇。
感想やレビュー
10/8読み終わり。 やっぱり太田愛さんの本は面白い! 派遣や期間工だけじゃなく、正規でも過酷な労働環境にある自動車工場で働く4人。夏休みに玄さんの誘いで同じ家で生活をし、労働組合設立をするまで勉強し、会社と闘うという気持ちいい話。4人それぞれの個性、文庫のねえさんが素敵だった。玄さんの死後、4人の回想シーンはとても描写がよくて泣けた。返却期限ギリギリだったので、雑に読んでしまった部分があるため、もう一度借りたい。
2
600ページ超のミステリだが、淀みのない展開で一気に読んだ。 間違いなく2023年を代表する傑作。 期間工、派遣工の四人がある事件を経て結束し、企業・警察に闘いを挑む物語。 最終章が熱い。