ひと
小野寺史宜
祥伝社
作品紹介、あらすじ
女手ひとつで僕を東京の私大に進ませてくれた母が急死した。僕、柏木聖輔は二十歳の秋、たった独りになった。大学は中退を選び、就職先のあてもない。そんなある日、空腹に負けて吸い寄せられた砂町銀座商店街の惣菜屋で、最後に残った五十円のコロッケを見知らぬお婆さんに譲ったことから、不思議な縁が生まれていく。本屋大賞から生まれたベストセラー、待望の文庫化。
感想やレビュー
子供にお母さんの子で良かった。と思って貰えたら 最高に嬉しい。
「ひと」に恵まれる人としてのあり方について熟考した一冊。 大事なものを失った後に得られるものの大きさはまさにその人の人間性と生き方次第だと思う。 実直で謙虚な聖輔の人格は魅力的だし、青葉の価値観にも共感できた。 個人的には父親の人生の軌跡を辿るシーンが好き。