Bookstand
Bookstand
無人駅で君を待っている

無人駅で君を待っている

いぬじゅん

スターツ出版

Amazonで詳細を見る

作品紹介、あらすじ

浜名湖を臨む静かな無人駅。そこにあるベンチには、不思議な伝説があった。「会いたい…」オレンジ色の夕焼けの中、ベンチに座り、強く願えば、やさしい奇跡が訪れて…。親友、恋人、父や母…切なくも温かい5つの「再会」の物語。

感想やレビュー

浜松にある無人駅、寸座駅には、晴れた夕焼けの日に駅にあるベンチに座ると、もう二度と会えない人に会えるという伝説がある。 その伝説を実行し、未練を果たす人々の、涙と希望の、珠玉の短編集。 印象に残ったフレーズ 「生きてさえいてくれれば、お母さんたちはうれしいの」 「ずっと俺のために強がってくれていたんだ……。誰よりも苦しいのに、悲しいのに無理してくれていたのか」 一つ目は、亡くした恋人を忘れられず、前に進むことができない美花が、実家に帰った時に母親に言われた一言。 亡くした恋人を想って、時間が解決すると思って東京に出るも、結局何も変わらなかったと嘆く美花に、彼女が生きているだけで、自分は幸せなのだと言ってくれた。家族愛が光る一言だと思う。 二つ目は、妻を病気で亡くした准が、妻、志穂は、平気だったわけではなくて、ずっと安心させるために強がってくれていたことに気づくシーンでの一言。私自身も、准と同じ気づきをした。 私が一番好きだった話は、「明日へと続くレール」だ。もう仕事をリタイアして、余生をゆったりと過ごす老夫婦の話だ。若い子の、明るくピチピチとした恋もいいけれど、このようなゆったりとした恋もいいな、と思った。

ネタバレを読む
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう