こまどりたちが歌うなら
寺地 はるな
集英社
作品紹介、あらすじ
涙はしょっぱい、お菓子は甘い。親戚が営む小さな製菓会社に転職した茉子は、コネの子と呼ばれながらも、会社の古いルールを変えようと格闘するが…。あなたが生きる“今”に光を灯す、希望の物語。
感想やレビュー
地域密着の和菓子屋が舞台の長編小説。 主人公の茉子のまっとうで普通なところがとにかく良かった。 同級生の満智花の謎行動にいらいらし、旧式の会社の体質に安易に納得せず、それでも仕事を真面目にやり、溜まったストレスはお菓子を食べて和らげる。 欠点もある主人公だが、どこかからっとした気性でもあり、そのせいか、物語全体の雰囲気も暗くはない。
親戚の経営すろこまどり庵という和菓子屋で働きはじめた茉子