名探偵のままでいて
小西 マサテル
宝島社
作品紹介、あらすじ
かつて小学校の校長だった切れ者の祖父は、七十一歳となった現在、幻視や記憶障害といった症状の現れるレビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしていた。しかし、孫娘の楓が身の回りで生じた謎について話して聞かせると、祖父の知性は生き生きと働きを取り戻すのだった!そんな中、やがて楓の人生に関わる重大な事件が…。2023年第21回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作。
感想やレビュー
「物語は紫煙の彼方に」というタイトルだったそうなのですが、「名探偵のままでいて」というタイトルが主人公の祖父を想う気持ちが一言で表現されていてとても素敵だと感じました。 最初のほうの事件は、「ふ〜ん」という感じだったのですが、楓のストーカーを追い詰めるところはおじいちゃん!!がんばって!!とハラハラしながら読みました。 「聞いた話で事件を解く」という話を読むたびに思うのですが、事件を探偵に語る人が正確すぎる…。(録音してるとはいえ、又聞きみたいになっていることもあるのに) 人の主観ほどあてにならないものはなさそうなのにな、と思ってしまいます。 事件に遭遇したとしても関係なさそうな部分とかは主観で端折ったりするだろうに…等。 そんなこと言ったら物語自体が立ち行かなくなってしまうのですが…。
タイトルどうり続編が読みたい
面白かった! ミステリー初心者にぜひ読んでもらいたい 多少強引な謎解きもおじいちゃんの語り口についなるほどと思ってしまう(笑) ほんの少しの恋愛要素もあり、涙もあり、どんでん返しもあり そして魅力的な登場人物たち すぐに続きが読みたい!
古典的ミステリーの本格的な要素と、学園ミステリーの華やかさを兼ねた、祖父と孫の温かなミステリー小説。