国宝 下 花道篇
吉田修一
朝日新聞出版
作品紹介、あらすじ
舞台、映画、テレビと芸能界の激変期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながらも、芝居だけに生きてきた男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。芸の頂点へと登りつめ、命を賭してなお追い求める夢のかたちとはー。
感想やレビュー
三代目花井半二郎(喜久雄)の歌舞伎舞台にかける思い。もはや最期は、役と自身との区別がつかないくらい取り憑かれてしまった。丹波家の跡取りの俊介も、両足義足になっても舞台を諦めず、最期まで舞台に取り憑かれていた。 二人を巡る人達との心の触れ合いも読み応えあり。