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絡新婦の理

絡新婦の理

京極夏彦

講談社

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作品紹介、あらすじ

「私の情夫だから」、これは男にとって女に言われる最上の言葉だが、大概の男は、一生に一度もこの台詞を聞くことは無い。何故なら、この台詞を吐き出す女こそ、性悪な女だからだ。そして性悪女の美しさを、大概の人は知らない。彼女達が、どれほど恠しい女なのか。この作品は、それを教えてくれる。-『絡新婦の理』には、主題はあるがメロディーはない。登場人物は、全てパートであり、それらが実に巧みにアンサンブルしている。

感想やレビュー

京極夏彦「絡新婦の理」再読了。 最新作「鵼の碑」を読むための読み直し。やっと5作目。長かった..とんでもなく厚いので家でしか読まなかったのが敗因。なのでここ最近は修行僧のつもりで持ち歩いた。そのおかげでついに勝ったぞ。 発行年をみて驚いた。1996年だと。ほぼ30年前じゃないか。いやはやすごい。そしてこの絡新婦の理は今の時代にこそ読むべき小説なのかもしれない。ジェンダーフリーやダイバーシティなど今さら何をいわんや。もともと日本に古来よりあったものの焼き直しではないか。そんな思想は古来より知ってたよ日本人は。となる。 本巻にでてくる呉美由紀は、その後のサイドストーリー今昔百鬼拾遺にも登場するキャラクターで結構好きなキャラクター。特に中盤以降の覚醒してからの呉美由紀がたまらん。ただ覚醒したばかりだからわかっているのだが、どう動いていいのかわからない感じも好きだ。 美由紀の覚醒に拍車をかけるのが待ってました京極堂。憑き物落としの始まり。このシリーズの最大の見せ場。うんうん、たまらないねえ。特に今回の中でもいいのが、織作葵を落とすシーン。頭のいいもの通しの駆け引き。最後まで落とさない京極堂の優しさ。でも....。くぅ...。 さてさて、鵼の碑までもうひといき。次は塗仏の宴だ。これは2部作に分かれてるので持ち歩くのが少し楽だね。

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