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魍魎の匣

魍魎の匣

京極夏彦

講談社

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感想やレビュー

京極夏彦「魍魎の匣」再読了。 百鬼夜行シリーズ(通称京極堂シリーズ)では最高傑作であり、個人的にはこの物語は漢(おとこ)木場修の物語であると思っている。 個人的に1番好きなのは姑獲鳥なのだが、完成度では魍魎が1番だと思う。 箱、筥、匣...様々なハコに捉われた人々。それぞれは別の物語を描きながらも、幾重にも重なり絡まり合う。箱の中は外であり、箱の外は中である。木場修、久保、御筥様、美馬坂、須崎、加奈子、頼子...そして雨宮... 物語の中で京極堂が「この芝居は4幕、いや5幕構成になった」の通り。幕ごとに主役が、ハコが、入れ替わる。 そして最後の憑き物落とし。 ああ、なんて完成度なんだろう。 いま読み直してもすごい。 個人的に1番好きなシーンはやはり 御筥様の憑き物落としをしているシーンかな。 京極堂が奏でる反閇のリズムが聞こえてきそうなほど。だんっ!だん!!と。 そして何よりも1番印象に残るのは 「ほぅ」 ああ、向こう側に連れていかれそうだ...

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