旧約聖書がわかる本
並木 浩一/奥泉 光
河出書房新社
作品紹介、あらすじ
小説のように自由に批評し、思想書のように挑発するー。旧約聖書とはどんな書物なのか。その世界はあらかじめ神からの絶対的な答えが用意されているようなものではない。人間はただ神に従うのではないし、そこには“対話”がある。問いかけ、働きかける姿勢があれば、驚くほど面白くなってくるテクストなのだ。旧約聖書研究のプロとその下で学んだ異才の小説家が繰り広げる“対話”に誘われ、旧約聖書の世界がほんとうにわかる!
感想やレビュー
タイトルに違わず、旧約聖書のコンセプトや立ち位置が、対談によって明瞭になる。特に、ヨブ記に重点を置く。神が全てを決めるのではなく、善悪を含む人間の自由度を残しておき、神ではなく人間が責任を取るようにしたという解釈は、なるほどと思う。