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愛なき世界

愛なき世界

三浦しをん

中央公論新社

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作品紹介、あらすじ

恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?道端の草も人間も、必死に生きている。世界の隅っこが輝きだす傑作長篇。

感想やレビュー

「知りたい」という欲求がこれほど人を突き動かす力になるのだと思い知らされる。登場人物がみな温かい情に溢れており、自分も松田研究室の一員として近くで日々を見ているような気になる。寝食を疎かにするほど研究に身を捧げ、専門外から見たら代わり映えのないと感じる実験と考察の繰り返しのなかにいる研究者にしても、根底には愛という得たいの知れない、論理では推し量れないものを持ち合わせているのが人なんだと感じた。

T大の植物学研究室を舞台にした、植物を愛する女性と料理を愛する男性の話。 研究室あるあるがいっぱいで、何より言葉選びが秀逸で、何度もクスッと笑ってしまった。何より、一途に何かに取り組む姿が愛おしくなる。登場人物みんなが魅力的!

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