高瀬庄左衛門御留書
砂原 浩太朗
講談社
作品紹介、あらすじ
神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。五十を前にして妻を亡くし、息子をも事故で失い、ただ倹しく老いてゆく身。息子の嫁・志穂とともに、手慰みに絵を描きながら、寂寥と悔恨の中に生きていた。しかしゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門に襲いくる。人生の苦渋と生きる喜びを丁寧に描く、武家もの時代小説の新星、ここに誕生!
感想やレビュー
極上の時代小説。 作者は藤沢周平のファンだろうか。文体に影響が感じられる。 筋書きだけをたどればシリアスな話だが、 登場人物の造作がうまく、物語のトーンは暗くない。 立花兄が良い男である。
心が洗われる。溜まっていた澱がすっきりと洗い流され、心が軽くなる本 隠居し過ごし突然の息子の死から藩を揺るがす騒動に巻き込まれ息子の死の真相が明かになる最後まで一気によみました