リボルバー
原田 マハ
幻冬舎
作品紹介、あらすじ
パリのオークション会社に勤務する高遠冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれた。それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。だが持ち主は得体の知れない女性。なぜ彼女の元に?リボルバーの真贋は?調べを進めるうち、冴はゴッホとゴーギャンの知られざる真実に迫っていく。傑作アートミステリ。
感想やレビュー
読み応えある一冊で、史実にフィクションを織り交ぜた作品 紹介されている絵画や建築物などを調べながら読み進めたので、ベージ数(約350p)以上に時間がかかった(笑) 著書の『たゆたえども沈まず』も良かったが、こちらも素晴らしかった(●´ω`●) ただし、〈解説〉がいきなりネタバレ?の内容になってくるので、前置き(ここから先、読んでいない人は〜)みたいな記載があればなお良かった! #ゴッホ #絵画好き #アートミステリー
読み終わって直ぐに「嘘に見えない嘘」と言う言葉が頭を過った。 作者は美術の知識があるだけに史実と史実の隙間を狙って想像を巡らす。 ゴッホとゴーギャンの話は有名だけど、私達は「解説」に引き擦られている部分が大きいとも言える。 ここまで詳しくは知らなかった。 ゴーギャンがゴッホに嫉妬していた… 視点を変えればそうとも言える。 余りにも書くことに関して一途なゴッホ。確かにサラリーマンから転向したゴーギャンとは大きく違っている。 サスペンスを通して逆の視点から二人を見つめることができる。 どんな歴史にも疑問を持ち、或いは逆の視点から見てみることも大切なことだと感じた。 それは史実を突き止めることではなく、人間を突き止めることが大切だからだ。
ゴッホとゴーギャンのやりとりには涙が出た マハは冴と同じく、不幸の中で死んだとされる2人が幸せだったという証明...というかがしたいんだと思う たゆたえども沈まずでもゴッホの最後は、苦しい中にも幸せがあったけど、ゴーギャンに殺されたゴッホは...精神が健やかな時に死ねて良かったのかな 奥さんもいて子供もいたゴーギャンは、愛娘も死に誰にも看取られず悲しかった
おもしろかった... 史実とフィクションを交えたようなお話 また読みたい