三体3 死神永生 上
劉 慈欣/大森 望/光吉 さくら/ワン チャイ/泊 功
早川書房
作品紹介、あらすじ
三体世界の太陽系侵略に対抗すべく立案された「面壁計画」。その背後で侵略艦隊の懐に人類のスパイを送る「階梯計画」が進んでいた。実現に導いたのは航空宇宙エンジニア程心。計画の鍵を握るのは彼女の旧友である孤独な男、雲天明。この二人が全宇宙の運命を動かすことになる。一方、地球文明の危機下で三体の極微スーパーコンピュータ・智子は、たえず人類の監視を続けていたが…。全世界2900万部突破の三部作第三部。
感想やレビュー
劉慈欣(リウ・ツーシン)「三体 死神永生 上」読了。 Netflix版の三体が始まるのと同時期にこの文庫版3部作の連続刊行も始まり、原作を読み終わるまではNetflix版は観るまいと決めたのだが、Netflix版は三体Ⅰから三体Ⅱの入りぐらいまでやるらしいという情報を仕入れたので、Ⅱまで全部読み終えてからNetflix版を観た。最後あたりこの辺の話はNetflixオリジナルなのかなあと思ってたのだが、おい、Ⅲの話入ってるじゃねえかこのやろうやっぱり全部読み終えるまで観るんじゃなかったと過去の自分を責めつつ、やはりこの小説... 抜群に面白い。 面白いからこそ内容を先に知りたくなかった。でもそこはさすが原作。ドラマ版より遥かに面白くて遥かに深い。 雲天明の苦悩がえげつない... ああぁぁ....雲天明...なんという...それでもなお純粋さを失わない人間性とはいったいなんぞや。 そして青銅時代......せめて藍色空間..お前だけは... と、もうほんとエピソードごとに心が揺り動かされるし人間とはって考えさせられるし、フィクションだけど実際に起こったらそうなってしまうだろうというところまで、なんでここまで考えられるんだろうこの作者はと驚嘆させられる。 あとⅡの主人公、羅輯(るおじー)。やっぱりめちゃめちゃかっこいい...面壁者であり執剣者。なんという、なんという意思の強さだろう、たまらんな。 と思って読み進めてた10数ページ後。なんてこったい。えらいこっちゃだぞ人類。ああああもうどうなっちまうんだ!もう大騒ぎ。 さらにさらに藍色空間と万有引力の追いかけっこからの次元に対する考察。いやもうほんとひと言すごい。高次元に対する考え方をここまで考察でるのか...それこそ高次元から作者の頭の中覗いてみたいぞ。と興奮続きの上巻クライマックスでの、智子が言うあの1行の言葉。 久しぶりに小説で鳥肌がたったぞ。 やはりきたか。 ああたまらん、たまらんぞこの小説! いざ下巻へ!!
物語のスケールが凄い。