法医昆虫学捜査官
川瀬 七緒
講談社
作品紹介、あらすじ
放火殺人が疑われるアパート全焼事件で、異様な事実が判明する。炭化した焼死体の腹腔に、大量の蝿の幼虫が蠢いていたのだ。混乱に陥った警視庁は、日本で初めて「法医昆虫学」の導入を決断する。捜査に起用されたのは、赤堀涼子という女性学者である。「虫の声」を聴く彼女は、いったい何を見抜くのか!?
感想やレビュー
主人公の昆虫学者はじめ、登場人物がみなさん魅力的でした。比較的分厚い本でしたが、すらすら読めましたし、それも作者の技なのでしょう。 さて準主役ともいえる刑事ですが、その相棒が毎回かわるようです。今回は、プロファイラーをかじっている、一癖あるおじさん。彼もとてもいい味を出していました。 さっくりと言えば、昆虫から事件を調べていくお話ですので、死体に群がる蛆虫などの描写は、想像するだけで気持ち悪いです。でも読めないほどには感じませんでした。 それにしても昆虫の力、あなどれないです。普段は気持ちわるいだけの昆虫ですが、ちょっと興味すら沸いてきました。