かのこちゃんとマドレーヌ夫人
万城目 学
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
かのこちゃんは小学1年生の女の子。玄三郎はかのこちゃんの家の年老いた柴犬。マドレーヌ夫人は外国語を話せるアカトラの猫。ゲリラ豪雨が襲ったある日、玄三郎の犬小屋にマドレーヌ夫人が逃げこんできて…。元気なかのこちゃんの活躍、気高いマドレーヌ夫人の冒険、この世の不思議、うれしい出会い、いつか訪れる別れ。誰もが通り過ぎた日々が、キラキラした輝きとともに蘇り、やがて静かな余韻が心の奥底に染みわたる。
感想やレビュー
指しゃぶりを卒業し"知恵が啓かれた"女の子かのこちゃんの成長の物語。かのこちゃんの過ごす穏やかな日常が飼い猫マドレーヌの日常と平行して描かれる。猫は「穏やかな日常」を象徴する生き物。そんな猫マドレーヌに起こる摩訶不思議な体験。突然身体が大きくなった不思議の国のアリスが狼狽える場面を思い出した。ほのぼのしていてちょっと切ない物語。