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まほり 上

まほり 上

高田 大介

KADOKAWA

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作品紹介、あらすじ

大学院進学を目指す裕は、卒業研究グループの飲み会で話されていた都市伝説に興味を引かれる。上州の某町では二重丸が描かれた紙がいたるところに貼られているという話だ。その町と出身地が近かった裕は、夏休みを利用して調査を開始。図書館で司書のアルバイトをしていた昔なじみの香織とフィールドワークを始め、少年から不穏な噂を聞く。山深い郷に、少女が監禁されているというのだが…。前代未聞の民俗学ミステリー!

感想やレビュー

高田大介「まほり」読了。 図書館の魔女で大好きになった作家さん。図書館の魔女シリーズしか読んだことなかったので、違うお話はお初。今回はどうやら民俗学ミステリーらしい。おおお、大好きなパターンやんどれどれ。 さすが言語学者なだけあって、文章から言葉が好きなんだろうなというのが滲み出てくる。同じく言葉というか言語が好きな人間としてはとても好きな感じだ。といっても文章が読みやすすい訳ではなく、どちらかというと文は難解。でも文章に愛情を感じる。 そしてやはりこの人は文章を狙っている。頭が文字を読んで脳の中にイメージを思い起こすスピード感や間とかを意識して書いてると思う。 説明文のところは何度も読み返すぐらい難しいのに、山の中で女の子に出会うシーンとかは、映像を見てるかのように頭の中にイメージが湧く。すごいなぁ。 主人公の裕と、幼馴じみの香織の会話の感じがキャラクターは全然違うのにキリヒトとマツリカの関係を思い出してしまってくすぐったい。 今回はまだ上巻で話がどうなっていくのかまだまだわからないが、神社とかお寺、神仏習合、本地垂迹などなどすごい勉強になりながらも、閉鎖的な村の何とも言えない恐ろしさもあり、展開が楽しみである。 さあ下巻、いってみよう。

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