何食わぬきみたちへ
新 胡桃
河出書房新社
作品紹介、あらすじ
大学生の伏見は、旧友の大石と共に、久しぶりに母校を訪ねた。思い出すのは、在学中に起こった特別支援学級の生徒に対するいじめ事件。当時、傍観者だった伏見は、正義感も熱も持てない自分に欠落を感じていた。一方、現在高一の敦子は、知的障害のある兄を持ち、自身もカウンセリングに通いながらなんとか世界に自分をつなぎとめている。彼女は「何食わぬ顔」をするOBの存在が許せなくてー。
感想やレビュー
はじめの方、読んでるときに川上未映子さんの『ヘヴン』をちょっと思い出した。 途中から違う女の子視点になって、最後に2人が交わるかんじの構成 障害を持つ人への関わり、相模原障害者施設殺傷事件、多くの人がしているであろう無関心、ゆるやかな差別、その描写がありがちで痛い。 「勝手に境界線引いてるだけで、安全圏なんてどこにもねぇからな」 「普通の人がまたごく普通に酷いことしている、何となく自分はまた一人ぼっちだ」