キツネを飼いならす
リー・アラン・ダガトキン/リュドミラ・トルート/高里ひろ
青土社
作品紹介、あらすじ
極寒の地シベリアで行われたキツネの家畜化実験。登場人物は科学者と愛らしいキツネとその世話係。そして実験の詳細、政治的陰謀、避けられた悲劇と避けられなかった悲劇…。その全貌がいま明らかになる。
感想やレビュー
ソ連におけるキツネの家畜化を試みる研究。ルイセンコ時代からゲノム解析まで、半世紀以上にわたる地道な研究は、ロシアの底力を示す。人間に慣れやすい個体が、環境圧によって遺伝子の表現型に変化をもたらし、ホルモン、骨格や社会的知性にまで影響がある。メイン研究者の一人(リュドミラ)が共著者の一人という位置づけが、若干謎。