「赤ちゃん縁組」で虐待死をなくす
矢満田篤二/萬屋育子
光文社
作品紹介、あらすじ
「愛知方式」と呼ばれる特別養子縁組の方法がある。愛知県の児童相談所では、産みの親が育てることができない赤ちゃんを、特別養子縁組を前提とした里親委託によって、生まれてすぐから家庭の中で育てる取り組みを30年来続けてきた。「虐待死の中で最も多い、0歳0カ月0日の虐待死」「恒久的な家族の愛情を知らずに施設で育つ子どもたち」「里親や里子を苦しめ続ける反応性愛着障害という病」…。これらすべてをなくすために、公務員でありながら圧力に負けずに新生児の特別養子縁組を断行し続けた矢満田氏、そしてその方式を愛知県に定着させる役割を果たした萬屋氏の半生と取り組みを、二人の熱意の背景にも迫りながら紹介する。
感想やレビュー
母子生活支援施設は、母子を一緒に支援できる貴重な社会資源。 どこまで育児頑張れるかな?って見極めながら支援をして、必要となれば一時保護に至る。 ただ、この本を読んで、たった2歳の子が一時保護されたとき、里親への親だめしがひどかったのだとか。 愛着形成の一番大事な期間は、生後3ヶ月だとあった。 子ども期間を生まれてからどう過ごすか、それって本当に大事なんだと痛感。 ただ、親子関係再構築と赤ちゃん縁組みは似て異なるものでもある。 親元で暮らす子ども達と、きっとサバイバーなお母さん達の橋渡しをして、少しでも気楽に、そして愛されてると実感できる家族関係が築けるように、今の支援に対峙したい。 子ども達の未来を明るいものにしてあげたい。