百年の子
古内 一絵
小学館
作品紹介、あらすじ
舞台は令和と昭和の、とある出版社。明日花(28歳)は自社が出版する学年誌100年の歴史を調べるうちに、今は認知症の祖母が、戦中学年誌の編集に関わっていたことを知る。学年誌百年の歴史は、子ども文化史を映す鏡でもあった。祖母の軌跡を紐解くうちに、明日花は、子どもの人権、文化、心と真剣に対峙し格闘する先人たちの姿を発見してゆくことになる。子どもの人権を真剣に考える大人たちの想いを縦糸に、母親と子どもの絆を横糸に、物語は様々な思いを織り込んで壮大な人間ドラマとなっていく…。
感想やレビュー
実在の出版社の歴史がベースにあり、その歴史を辿りながら読み進める。
小学館 戦争 女子男子 人類は1000000年子ども、女性の歴史は100年
戦争という非常時が結びつけた人と職場。 半分くらいはノンフィクションだろう。出版史としても興味深く読んだ。 戦争中、男性の代替要員として就業した女性にスポットを当てた小説はさほど多くないので(多嶋斗志之などの先行作品はあるが)、そういう意味でも新鮮。スエさんが素敵。 最後が本当に良かった。