できない相談
森 絵都
筑摩書房
作品紹介、あらすじ
夫の部屋の掃除はしない。マッサージ店で指名をしない。“ワンちゃん”呼びはしたくない。バリウム検査で作法を貫く。結婚指輪はどこかに消えた。くだらないような気もするし、ちいさい事とわかってもいる。「だけどコレだけは譲れない」、そんな何かが誰にもきっと一つはあるはずー。こだわりを許して生きていくのは、なかなか案外悪くなさそう。38篇の物語に文庫版限定の2篇を追加収録!
感想やレビュー
粒揃いの短編集かと問われれば、それほどでもない。ないのだが、森絵都さんの一ファンとしては、森絵都らしさが全編薫っていてなんだかんだで満足。 そして、東京出身の森絵都であるのに、どういうわけか関西弁フィーチャーの短編がいくつかあり、それが全て怪しくもハイクオリティで困ってしまう。もっと上品な関西弁もあるんやで、と思いつつも、しかし、この人じゃりン子チエ的下町的大阪弁書かせたらうまいな、只者やないで、と唸ってしまうのだ。