砂嵐に星屑
一穂 ミチ
幻冬舎
作品紹介、あらすじ
出世コースでもない、恋愛もうくまできない。それでも続く人生。旬も過ぎ社内不倫の“前科”で腫れ物扱いの40代独身女性アナウンサー。娘とは冷戦状態、同期の早期退職に悩む50代の報道デスク。好きになった人がゲイで望みゼロなのに同居している20代タイムキーパー。向上心ゼロ、非正規の現状にぬるく絶望している30代AD…。世代も性別もバラバラな4人を驚愕の解像度で描く、連作短編集。
感想やレビュー
少しビターな、でも読後感は悪くない連作集。 どの話も時事ニュースが絡んでおり、関西在住の読者なら、こういう事件あったなあと懐かしく思い出すはず。 「<冬>眠れぬ夜のあなた」が非常に印象深い。神戸の震災を周辺で体験した者にしか書けない一篇だと思う。
2
考えてみて、行動し、自分でやってみること。 人に頼るんじゃなく、自分で考えろ
とげが刺さったことだけに反応して石を投げ返してしまった。後からじんわりと理解が追いついて反省したり納得したり、心と頭の時差を埋められない。 こまかい表現がすっと入ってきてすてきだなぁ、と思う。