三体2:黒暗森林 下
劉 慈欣/大森 望/立原 透耶/上原 かおり/泊 功
早川書房
作品紹介、あらすじ
太陽系に迫る三体世界の巨大艦隊に対抗する最後の希望は、四人の面壁者。人類を救う秘策は智子も覗き見ることができない、彼らの頭の中だけにある。面壁者のひとり、羅輯が考え出した起死回生の“呪文”とは?一方、かつて宇宙軍創設に関わった章北海もある決意を胸に三体世界に立ち向かう最新鋭の宇宙戦艦に乗り組んでいた。全世界でシリーズ累計2900万部を売り上げたベストセラー『三体』衝撃の第二部。
感想やレビュー
めちゃめちゃ面白かった。
劉慈欣(リウ・ツーシン)「三体 黒暗森林 下」読了。 こりゃあとんでもない。とんでもなく面白い。すごい、ほんとに凄すぎる。凄すぎてもう凄いどういう言葉しか出てこなくなるぐらい語彙力が低下する。 何が凄いってまず設定がすごい。面壁人と破壁人の考え方とか、近未来の生活や宇宙船の設定から何からなにまでほんとにあり得るなと思わせるし、理論もきっちりしてるのでもしかして本当にそういう未来がくるのかもしれない。 そのとんでもなく考えられた設定の数々の上で繰り広げられるドラマというか知能戦。これがまたたたまらんのだわ。 話のメインとなるのは三代続く軍人の家系である章北海(ジャンベイハイ)と宇宙社会学者の羅輯(ルオジー)。この2人がまたもう...ね。 章北海の方は、いやまじか、まさかそうくるのか...え、まさかこれを予想してたのか...うおぉ、この先を読み進めるのが怖い...怖いけど止められない...ってなるし ほんで羅輯....おおおぉぉ... 羅輯...おまえまじか...いやまじか....いやほんとまじかお前...すげぇ...おまえすげぇよ... ってなるのよ。(読んでない人にはなんのこっちゃだろうが、読んだ人ならばわかってくれるはず!) そしてそして何よりもサブタイトルになっている黒暗森林という言葉。くはぁ...そういうことか...なんということだよ。いやでもほんとにそうなのかもしれない。でもそうじゃないとも信じたい...うわぁ...めちゃめちゃ考えさせられるわ。 と感動に震えつつのラストシーン。ここも大好きだ。まさかここであの人を持ってくるのか...くぅぅ、たまらん。 P.S.これは願望なのだが、葉文潔と羅輯(ルオジー)の墓地での会話。あれは文潔の贖罪だったのかもしれないと。