ポロック生命体
瀬名 秀明
新潮社
作品紹介、あらすじ
画家の作品をそっくり再現するAIが現れた。科学倫理の研究者である水戸絵里は盗作ではないかと開発者に迫るが、晩年の画家の作品はAIが描いたものだったという衝撃の事実が明かされるー。際限なく創造し続けるAIこそ真の芸術家であり、無為な日々を過ごすことを選ぶ人間の方こそロボットではないか…。絵画や小説、将棋を通じて知性と生命の本質を問い、近未来を幻視する短編集。
感想やレビュー
瀬名秀明「ポロック生命体」読了。 AIにまつわる4つの短編集。 「負ける」「144C」「きみに読む物語」 「ポロック生命体」の4篇。 瀬名秀明さんはパラサイトイブから好きで、ブレインバレーもめちゃめちゃ好きだったなあ。 今回のテーマはAI。将棋、小説、絵画と芸術性の高いものに関して、AIはどこまで人類に近づけるか、もしくは人類を越せるのかと言った内容。 4篇の中ではやはりダントツに「ポロック生命体」が面白かった。確かに人間はピークの時ってのが必ずある。ずっとピークのままでいる人間は存在しないか、もしくは短命で終わってしまうのかもしれない。それに比べてAIはいつまでもピークのままでいられる。うーーん。考えさせられるなあ。そしてその未来はもう近いところまで来ているのかもしれない。 でもどうなのだろうか。AIがとんでもない傑作小説を書いたとして、それを普通に受け入れられるのだろうか。というよりおれは買うだろうか...