自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く
松本 敏治
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
「今日の健診でみた自閉症の子も、お母さんバリバリの津軽弁なのに、本人は津軽弁しゃべんないのさ」-津軽地域で乳幼児健診にかかわる妻が語った一言。「じゃあ、ちゃんと調べてやる」。こんなきっかけで始まった「自閉症と方言」研究は10年に及び、関係者を驚かせる結果をもたらすものとなった。方言の社会的機能を「意図」というキーワードで整理するなかで見えてきた、自閉症児のコミュニケーションの特異性に迫る。
感想やレビュー
著者の方の奥さんが「自閉症の子は津軽弁を話さない」と言って、著者の方も負けじと反論して夫婦喧嘩に進み、著者の方が覆そうとして研究に発展したのが始まりです。個人的にはこの始まりを知ってから読むと一層興味を持ちやすいかと思います。 自閉症に全く知識の無い人でも、研究内容をとても分かりやすく噛み砕いて提供してくださっています。図や絵もあります。自閉症の特徴から自閉症が方言を話さない、自閉症が共通語ばかり話す事まで事細かく述べているのでとても面白いです。 自閉症の方が近くに居ない人でも、読んでおくときっと更に人に優しくなれるかと思います。 あと研究職に就きたい方も読んでおくといいです。情報が溢れている故に簡単に判別しないと脳が疲れてしまう日々です。そうだとしても何かしらの疑問は取っておくと良い人生の材料になるかと思いました。