総理の夫

読み終えた後、壮快な気分になる。 日和くんと凛子さん、２人の人柄は名前のとおり。クールで切れ者の凛子さんを、小春日和のような温かさで見守る日和くん。 ハイスペックカップルなのに、嫌味なく受け入れられるのは、野鳥と凛子さんにしか興味のない『おめでたい』人柄の日和くんによる一人称の日記として描かれているからだろう。 それにしても、凛子さんのような潔癖さで政治をやってもらえると、国民にもわかりやすいんだけどな。 しがらみなく、国民に目線をあわせ、ひたすらに日本の未来を考える人。そんな政治家に気持ちよく一票を投じたい。 ただ、凛子さんの支持率の高さが、女性で若くて美人だからというのが大きく影響しているとなると、日本国民は何をみて政治家を選ぶのだろうとも感じる。 自分がどう生きるか、そのためにどんな日本であってほしいか、選挙をきっかけにそんなことを考えるのもいいかな、と思った一冊だった。 それにしても、1970年代に流行った刑事コロンボなんて、20☓☓年生まれの日和くんは知らないよ。