ゼロの焦点改版
松本清張
新潮社
作品紹介、あらすじ
前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。ようやく手がかりを掴んだ時、“自殺”として処理されていた夫の姓は曾根であった!夫の陰の生活がわかるにつれ関係者がつぎつぎに殺されてゆく。戦争直後の混乱が尾を引いて生じた悲劇を描いて、名作『点と線』と並び称される著者の代表作。
感想やレビュー
サスペンスの王道というに相応しい重厚感溢れる内容ですっかり清張ワールドの虜に。 どっぷり感情移入して読み進めた為、謎や動機が明らかになっていく度身体中緊張感駆け巡った。時代を感じる描写も当時の歴史的背景を垣間見る思いで楽しめた。映像ver.も観てみたい。
1
てい子は魅力的な女性だが、こんなに冷静、聡明、行動力のある女はそうそういない。 てい子の心情を直接表現することが極めて少ない。それを推理?慮りながら読んでしまうのも、清張の手腕が