市民社会と独裁制
ユルゲン・コッカ/松葉 正文/山井 敏章
岩波書店
作品紹介、あらすじ
ワイマル共和国の自壊とナチズムの台頭、その破局に続く冷戦下の東西両国家の並立から再統一へー近現代ドイツの歴史は、ナチ・ドイツ、東ドイツという二つの独裁制と市民社会との対抗の歴史でもあった。「ヨーロッパ近代」を規定する原理として見直しがすすむ市民社会理念の本質を、現代ドイツ歴史学界の第一人者であるコッカが明晰に論じる。
感想やレビュー
歴史学の発想についてはこれまで学んだことがなかったため、とても新鮮で興味深かった。 ・「集合記憶の制度化は、その存続を保証するが、しかし記憶の性格を変化させ、意図しない諸結果をも引き起こす。」100頁 ・1789-1914を長い19世紀とする説や、両世界大戦を20世紀の30年戦争と捉える説など 多くの視点を学べた。とても難解な本ではあった。