昔から現代までなおこの地球の隅々を命がけで訪ねるこんな人たちがいるとは、その探索（冒険というとどうもロマンが潜んでしまう）に圧倒され言葉がない。

独特の似顔絵は他を寄せ付けない、そんな画家が見事なエッセイを著したもんだ。短文で分かりやすい、言葉の使い方が万華鏡を見るように楽しい、言い回しが豊か。

なかなかの本。個の強い生き方は羨ましくもある。今、86歳アルツハイマーを背負っているらしいが、この人にとっては人生のほんの付けたしだろう。

以前読んだことを忘れていたがすぐに思い出す。このような不可思議なことがあるのはとても否定できない。読む者の心を掴む本当の小説。

とても全部を読み尽くすことは出来ない。書かれていることはこんな読みづらさよりなん万倍もの辛さ酷さがあるのだが…。

暴力が小気味良く後味は悪くない。最後まで一気に読ませる。

あの戦争での兵士の残した文が数十年の時を経て残る人々に届いた奇跡、遺族は言うまでもなく、直接関係のない現代の高校生にも伝わったこと。言葉がこれほどの重さを持つ。

過激なハードボイルドの時代小説。一体どれ程の命が亡くなったか、それもえらく残忍な状況で。後味はよくない。

いわゆる学生活動家ではなく、物理学をこよなく愛し、不正に対して見過ごすことのできない生真面目誠実な、普通の学生より少しアンテナが敏感な人なんだろう。側にいたであろう鎌田にいつかいろいろ聞いてみたい。

最後の力を出して思いを文章にした遺作。編集者である孫を通じて世に遺していった。

綺麗事でなく本音を語り合っていると信じたい率直な書。

TVスイッチインタビューも併せて見たが、二人の感覚～思想が同調して読むものにも良く伝わる。

花村萬月「東風解凍」、橋本治「牡丹華」は絶品。

時代劇のミステリー。難しい言葉があるものの分かりやすいストーリー、下級武士の悲哀と一途さが伝わる。

初め短編集と思いタイトルロールの 部分を先に読んでしまった。久し振りに面白い小説。芥川賞を取った作品とは月とすっぽん。最後の説明も良い。

この著者にはどんな読書力があるのか？想像を越えるエネルギー。単に博識・博学多才と言えぬスーパーマン。

3冊のうち最も読み応えあるか。最後の方でやや青臭い所があるものの現役の医師のこれ程の文才に感心する。

読みやすい文章、分かりやすい話。飾らない素朴なエッセンスが伝わってくる。いろいろな葬儀の話題は新鮮。

五木の対談上手に姜の誠実さがうまく対応していて、読みごたえのある対談。

文才ゆたかな、ユーモアのある現役の医師。最後まで一気に読ませてしまう、途中で止められない物語。

書名に偽りあり。しかも個独どころかセレブな女性の著名人交際話で馬鹿馬鹿しい。

特殊な舞台が実は最も人間の根元的な場所、一話一話とても面白く書かれている短編として最高レベル。

多作の著者だがそれぞれに面白い短編集。

題名に引かれて読んだが、素数が孤独であるという感覚には気がつかなかった。最後まで飽きさせずに読ませる。訳文もうまい。

小説なのにドキュメンタリーかと思わせるほどリアル。小説だからこそ書けたのか。最後まで飽きさせない久々の大ヒット作。

絵を描くこと以外にフォーカスした内容だが、北斎の生活の一面はこうだったかも、と思わせる。

初めて読んだ寂聴の小説、確かにその筆の力は魅力がある。

久しぶりの大ヒット。

文章にすることがよく出来たと感嘆するほどの、恐らく思い出すことすら辛い体験に基づく赤裸々な吐露。

ざっくばらんに雑談した感じ。

なかなか共鳴出来るところ多し。

一人一作品の朗読に相応しい。

短編だがどれも凝ったストーリー。連城のような意外性、文章のうまさ、簡潔性。

いろんな立場、視点、場所、状況からの情報を基にした力作。

戦争を加害者側から聞き取ったものは初めて。もう少し易しい文章が欲しい。

これも読み応えのあるこの著者の最新作。沖縄の抱える問題を随所に提示しながら小説としての面白さを保つ力量は凄い。

事故のあったことだけは覚えていたが、これほどの内容に大きなショック。

一つ一つデータに基づき丁寧に論ずる姿勢は好感が持てる。

講演をまとめたからか、今までになく分かりやすく書かれている。

たまたま手にした本だったが、しっかりした文章と著作に感心。久しぶりに読み応えのある小説。

短いエッセイをつけて昔の懐かしい歌を振り返る。いい本だ。

特に、Ⅲ～Ⅳの「3.11」に関する文章がストレートで読み応えがある。

人間の生と死を直接示すいくつかの写真は衝撃的。

建築のベースには文化、歴史、政治、宗教、…諸々の要素が関わり、すべてその存在に理由のあることが分かる。

戦争にはまだまだ知られていないことが数多くあるようだ。狂った日本の稚の部分。