八犬伝 下
山田 風太郎
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
遙か昔の怨念から里見家を救うため、不思議な宿縁に導かれ、世に現れた八犬士。ここに彼らは出揃った。関東管領・扇谷定正を前に、一大決戦が今始まるー。二十八年の歳月を経て、作家・馬琴は息子の死や自身の失明に直面しつつも懸命に物語を紡ぐ。そして虚実二つの世界はついに融合を迎え、感動のクライマックスへ。馬琴の最高傑作『南総里見八犬傳』を、壮大な構想で現代に蘇らせた、鬼才・山田風太郎による不朽の名作。
感想やレビュー
山田風太郎「八犬伝 下」読了 なんか一気に読んでしまった。 一気読みさせる力があるねこの物語は。 上巻の感想では書かなかったけど、 この山田風太郎の八犬伝は、八犬士の活躍を描く虚の部分と、実際にそれを書き進めている滝沢馬琴の実の部分とが交互に章立てされる構成になっている。 上巻では虚の部分の八犬士の活躍の面白さに圧倒されながら、実の部分がちょうど箸休めな感じでほど良かったのだが、下巻を読み進めるうちに、なるほど山田風太郎が描きたかったのは実はこれだったのだなと腑に落ちる。 うん、虚実含めて面白かった。 でも人によってはこの八犬伝、もっと八犬士の丁々発止という活躍を見たいという人には合わないのかもしれないな。 うーむ、しかしこれどのように映画化するのだろうか。楽しみだな。