「無償」の仕事
永六輔
講談社
作品紹介、あらすじ
「二本ある手のどちらかは誰かの為に使えるように」六輔流ボランティアのある生き方。
感想やレビュー
劇的になにか価値観が変わった訳では無いが、ボランティアというものをなにか特別なことと思ったりするのは違うかなと思った。 ボランティアが出来るのは自分が恵まれているから、無料の仕事をしても食いっぱぐれないからと言ってたのはたしかにそうだと。 多くのお金に囲まれると「世のため人のためになにかせねば」という気持ちに駆られてボランティアを行うという心理は理にかなっていると感じた。「売名だろ」と詰られ「売名です」と答えるのは、相手に「売名じゃないよ」と云々言ったところで納得しない、そこで納得してもらえるように言葉を尽くすのはただの苦労、だったら「売名です」と言ってしまったほうが要らぬ苦労をしなくて良い。人が発した言葉が全てではないんだな、表面だけ見ないようにしようと自戒。 死にそうな人に「死は怖くない」と言い続ける、それはどう理にかなっているけど、「死なないよ」と言う。合理的ではないけれど、「死なないよ」と言う。そういうときの心境、なんかわかる。でも自分だったら何も言えなくなっちゃう。「死なないよ」と言えるくらい、合理を超えた強い優しさを持てる人になりたい。 あとオシャレなおばあさんになりたい。 そんなふうに思った本でした。
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