夜はおしまい
島本 理生
講談社
作品紹介、あらすじ
数合わせで出たミスコンの順位は、八人中八位だった。無遠慮に自分の価値を決められた日、琴子は北川に声をかけられる。たいして大事にしてくれない北川でも、誘われると断れないのは、誰かに求められていると安心するからかー。琴子は神父の金井に、信仰の意味を問う。女性の「生」と「性」を描いた新たな傑作。
感想やレビュー
生々しい現代の性的表現には虫唾が走る。正しい愛などなく、それぞれのかたちで愛が存在し人生が存在する。善し悪しはない。金井神父に関わる女性の愛や性的関係を通して感じる感傷を通して、金井神父の謎(亡き妹への愛)に迫る。現代のLGBTへの考えの多様性が色濃く反映。