触身仏
北森鴻
新潮社
作品紹介、あらすじ
「わが村には特殊な道祖神が祀られている。」美貌の民俗学者・蓮丈那智のもとに届いた手紙。神すなわち即身仏なのだという。彼女は、さっそく助手の内藤三国と調査に赴く。だが調査を終えた後、手紙の差出人が失踪してしまったー。那智はいにしえの悲劇の封印を解き、現代の事件を解決する(表題作)。山人伝説、大黒天、三種の神器、密閉された昏い記憶。本格民俗学ミステリ集。
感想やレビュー
北森鴻「触身仏」再読了。 蓮杖那智フィールドファイルシリーズの第2作。 民俗学ミステリー短編集。 今回は 秘供養(ひくよう) 大黒闇(だいこくやみ) 死満瓊(しのみつるたま) 触身仏(しょくしんぶつ) 御陰講(おかげこう) の5つの短編。 1作目も面白かったのだが、 この1作目より2作目の方が蓮杖那智と助手の内藤のキャラが確定してきた感じもあり、面白さがぐんと上がった感がある(偉そう)。 後書きにも書かれていたが、シャーロックホームズとワトソンのようでやはりこの2人の関係性は安定するのだなと思う。 そして、なにより民俗学に対する考察が楽しい。今回は5つとも面白くて、どれが一番って決めれないなあ。といいつつやはりタイトルにもなってる触身仏かな。手塚治虫の火の鳥にも少し似た話がでてくるけど、土の中から鈴の音が聞こえてくるのはそれだけでとても怖い気がする。子供の頃に聞いたら絶対トラウマになるわ。チリーン。