Bookstand
Bookstand
ナラタージュ

ナラタージュ

島本 理生

KADOKAWA

Amazonで詳細を見る

作品紹介、あらすじ

お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務があるー大学二年の春、母校の演劇部顧問で、思いを寄せていた葉山先生から電話がかかってきた。泉はときめきと同時に、卒業前のある出来事を思い出す。後輩たちの舞台に客演を頼まれた彼女は、先生への思いを再認識する。そして彼の中にも、消せない炎がまぎれもなくあることを知った泉はー。早熟の天才少女小説家、若き日の絶唱ともいえる恋愛文学。

感想やレビュー

言葉では言い表せないほどに素晴らしい作品。読めば読むほどに心が締め付けられた。前半の日常パートにあまりにも起伏がなく、何度も挫折しそうになったが、途中から激しく心を揺さぶられ、読み終えた者だけが得られる苦しさと愛しさ。登場人物が現実的であり、それに対して泉はどこか現実的でないと思っていたが、それも葉山先生と関係を持った際の描写で回収されていて、その構成にも大惚れした。泉の激情の涙で終わるのも美しい。

App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう